特許権の少し困った話

特許権の少し困った話

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所長代理

この前お話した特許権やライセンス契約は
非常に有用な契約といえるでしょう
産業の発展にも寄与する良い制度だと思います

はい
開発者がその対価を得ることができるのですから
私も良い制度だと思います

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ロック

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所長代理

しかしちょっと困ったこともあるのです

困ったことですか?
この間お話しいただいたこと以外にですか?
どんな問題でもあるのでしょうか?

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ロック

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所長代理

いくつかありますね
まず一つ目は発明者の権利についてです
企業のオーナーが発明者ではない場合
権利帰属やその対価についての処理が大変です

発明者と特許権者はイコールではないのでしたね
青色発光ダイオードの中村先生の問題は記憶に新しいです
特許法第35条をはじめとする職務発明などの話ですよね

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ロック

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所長代理

そうです
だから先に社内規程で規定しておかないと
あとで思わぬトラブルになることがあります
もちろん法律等を勘案して
社会的に問題のないレベルで です

結構大変な問題ですね
でも1つ目ということですから
他にもあるんですよね

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ロック

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所長代理

えぇ いくつかありますよ
順に説明していきます
2つ目は専用実施権です

専用実施権は何が問題なのでしょうか?

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ロック

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所長代理

専用実施権は特許庁にその旨の登録が必要なのですが
何故か産業財産権の検索システムである
ネット上の「J-PlatPat」では検索できないようです

権利設定を受けるときに調べるのが大変ということですね!?

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ロック

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所長代理

その通りです
ネットで調べて権利者を特定しても
それだけでは十分ではないのです
最悪権利はあるが製品は作れないこともあり得ます

なるほど
それは非常に困りますね

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ロック

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所長代理

それくらいならまだ可愛いもので
通常実施権については登録すら必要なく
契約のみで権利を設定することができます
これが3つ目ですね

それって独占的通常実施権を何社かに設定していることもあり得るのでは!?

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ロック

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所長代理

それが問題になるのです
また権利を設定したライセンサーや
それを受けたライセンシーが清算した場合なども
権利関係が複雑になりがちです
これが4つ目ですかね

結構困りますね こういうの
あれ?
もしかして外注先に製造させる場合にも問題が発生したりしませんか?

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ロック

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所長代理

いいところに気がつきましたね
その辺も契約次第で問題になります
気を付ける必要があるでしょう
これが5つ目といって良いと思います

何か色々大変ですね

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ロック

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所長代理

他にもパテントトロールなどの問題や権利の重さなどの問題があります

パテントトロールというと
特許権を買いあさって
その発明を使っているものにライセンス料を支払えと請求する
アレですか?

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ロック

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所長代理

はい そのアレです
違法ではないことが多いだけに性質が悪いです

そうですね
あとですが 重みづけというのは何でしょうか?

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ロック

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所長代理

ある製品を製造する場合複数の特許が必要なことがあります
その特許を複数企業がそれぞれ持っている場合
ライセンス料を相殺することがあるのです
その権利の重要度や開発費用等の重みづけのことです

もしかして今は全部1山いくらという感じなのですか?

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ロック

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所長代理

そのようです
ですから非常に重要な特許権を取得したにも関わらず
他を押さえそこなって
煮え湯を飲まされる場合があるようですね

なるほど それは今後の課題ですね
しかしこうやってみると
現実はなかなか大変な制度なのですね

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ロック

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所長代理

だからこそ契約や規程をしっかり整備しなければならないのですよ
それがあればかなりの部分を回避できるのですから
わかりましたか?

はい わかりました!

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ロック

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