ロピアの独禁法違反

最近、株式会社ロピアが私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(通称:独占禁止法又は独禁法)違反というニュースが流れました。

私は、最初に見た情報はテレビでしたが、ロピアが、という時点で独禁法違反かなと思い、やはりその通りでした。
今回は、納入業者に無償で陳列等をやらせていたようです。
しかも新聞記事では上層部主導とのことで、かなり悪質だと言えます。

このような独占禁止法違反は、かつてヨドバシカメラやローソンがやらかして話題になりましたが、流通業では定期的に発生しているように思います。

理由はいくつかあります。
まず、かなり独禁法違反しやすい環境ということです。
大手小売店との取引が無くなると、卸売業者(ベンダー)は業績がとても厳しくなるため、どうしても立場が弱くなりがちです。

また、新店オープンの時などは、発注、納入量が半端ではないので、陳列まで手伝うこともしばしばです。
そうすると、そのまま常態化しやすくなってしまいます。

でも、何より大きいのは、流通業の人たちは、多くがコンプライアンスの意識が低いからです。
これは元流通業にいた私がいうのですから間違いありません。
現場では独禁法、景表法なども知識が無く、やってはいけないことすら認識していません。
これはおそらくいじめっ子はいじめたと思っていないのと同質のものだと思います。

改善案ですが、独禁法違反は、会計監査では表面化させることがかなり難しいと思います。
撲滅させるとしたら、フロアマネージャー以上のものは強制的に、徹底的に、吐くくらいコンプライアンスの教育を施す必要があるでしょう。

また、そのようなことが起こらないよう、システマティックに制度を整える必要があります。
最低でも法律事務所等に、従業員の公益通報と共に独禁法違反も相談窓口になってもらう必要があるでしょう。
できれば、毎期第三者に業務監査も入ってもらうと良いです。

株式会社ロピアは東証スタンダードに上場しているようなので、東証からもかなり厳しくいわれるでしょうし、株主代表訴訟も考えられます。
役員も大幅に変わることになるでしょう。
変わらなければ変わらないと思います。

 

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